金継ぎの魅力


金継ぎとは

陶磁器の割れや欠けを漆喰や金箔、銀箔を用いて補正する「金継ぎ」という手法が日本にはあります。古くは室町時代より行われている手法で、割れてしまった器に漆喰と金箔や銀箔を施すことで、元々の器にない新たな魅力を生み出す技法です。
海外にも割れた器の補正方法はありますが、元々の形に近づけるための補正であり、「金継ぎ」のように新たな魅力を吹き込むという手法は日本特有の考え方からきているようです。


金継ぎの魅力

昨今、「金継ぎ」といわれる技術が若者や海外でも注目されているのはご存知でしょうか。
「金継ぎ」が手軽に出来るキットがあり、日本各地でワークショップが行われているようです。
割れ加減や継ぎ幅など出来上がった陶磁器は、世の中に同じものが一つとない個性が表れる作品となります。
昔の日本人と同じように今の日本人も、「金継ぎ」の作り出す風景と個性に魅了されているようです。

また、現在の世の中を象徴するようにSNSやyoutubeといった電子媒体で、各国の方達も日本の技術や伝統を目にする機会が増えているようです。
「金継ぎ」の技術や日本人の感性を目にした海外の人たちはどのように感じているのでしょうか。


♠参照 YouTube CHANNEL造佛記さま投稿より「金継ぎ」


------------------------------------------------------------
傷跡って普通は隠されてしまうものだけど、
日本人はそれすら愛そうとするんだね!!
(ベネズエラ)

日本人には、僕らには見えてない物が見えてる気がする。
(スペイン)

「海外の反応」パンドラの憂鬱サイトより参照
------------------------------------------------------------

古来より日本人が大切にしてきた技術を海外の人たちからも賞賛されています。同じ感覚ではないにせよ、日本人ならではの伝統的美意識を各国の人々の感性を通していい評価をいただけるのは日本人の誇りに思えます。


金継ぎの新たな世界

「金継ぎ」は高価で貴重な陶芸品の修復や芸術品として鑑賞の対象のように感じている方も多いと思われます。
しかし、本来「金継ぎ」の目的は物を大切にする精神の元にあったようです。昔の庶民の間では、金箔や銀箔までの装飾はされてはいませんが、欠けた陶磁器をつなぎ合わるといった技法は実用的に使われていました。
そして現代では海外の方々や若い世代の人たちの新しい感性から、「金継ぎ」に新しい使い方や文化が作り出されているようです。


陶器やガラスなどの欠片を金継ぎで継ぎ合わせた箸置き等もあり、陶磁器の修正とはまた違った発想で金継ぎの技術が使われています。さまざまな素材や柄の違うものが組み合わさり、まるで和織物のような美しさがあります。
ガラス製品の修正にも「金継ぎ」を使うと新たな柄が生まれ、グラス本来の姿よりも趣のあるものに変わったように思えます。

♠参照 KilnArt 金継ぎ作品ギャラリー
https://www.kilnart.jp/gallery/kintsugi


金継ぎ入門を紹介

金継ぎの魅力でも紹介しましたが、肩肘を張らずに「金継ぎ」に触れ合える機会が増えているようです。
金継ぎの材料が一式そろった「金継ぎセット」は東急ハンズやAmazonなどでも6千円台から購入でき、「金継ぎ一年生」、「金継ぎ入門」といった手ほどき本も販売されています。
ワークショップも各地で行われているようなので気軽に「金継ぎ」を体験できるのもいいですね。


おわりに

「金継ぎ」は物を大切にする精神と金継ぎが施された器に風景を見出し、侘びさびを感じる日本人ならではの感性から生まれた、世界に誇れる伝統文化といえるのではないでしょうか。
「古きを温ねて新しきを知る」のように伝承されてきた技術に新しい息吹が吹き込まれることによって、「金継ぎ」そのものの輝きを増しているように思えます。

»トピックス一覧へ »次のコラムへ「和室でのお辞儀はココがポイント」

»トピックス一覧へ

»次のコラムへ「和室でのお辞儀はココがポイント」

ページのトップへ戻る