外国人にも大人気『さいたま市大宮盆栽美術館』


外国人にも大人気『さいたま市大宮盆栽美術館』 外国人にも大人気『さいたま市大宮盆栽美術館』
盆栽というとお年寄りの趣味と思われがちですが、意外にも若い人達や外国人の方にも人気があるのはご存知でしょうか?
近年では、手のひらサイズの「ミニ盆栽」や樹木の根元を苔で包んだ「苔玉」、またいろいろな苔を寄せ植えした「苔盆栽」など、手軽に始められて見た目も可愛らしく手入れも簡単な盆栽をはじめとし、盆栽に興味を持つ人が増えているのです。

しかし、絵画もそうですが盆栽を見てどこが良いのか、どう見たら良いのかわからない方のが多いと思います。小さな鉢の中に樹齢何百年の松の木が猛々しく生えている姿は、盆栽の知識がなくても「凄い!」と感じると思います。盆栽の見方を知ったら、「なぜ凄いのか」という着眼点がはっきりとし、「凄い」の一言で済ますことができない奥行きの深さや趣きを感じることができます。

あまり盆栽に興味がない人でも、きっと虜になってしまう場所が埼玉県にある「さいたま市大宮盆栽美術館」です。日本が世界に誇る盆栽の魅力を発信するために、世界初の公立施設として設立された街をあげての盆栽美術館には、貴重な盆栽のコレクションが数多く展示されています。
一つ一つガイドを受けながら回れば、盆栽の魅力に取り込まれること間違えなしです!

盆栽の国際交流や愛好家の交流の場所


盆栽の国際交流や愛好家の交流の場所 盆栽の国際交流や愛好家の交流の場所
昨今ではSNSが普及し、遠方にいても写真や動画で世界中の景色を見ることができます。また、同じ趣味趣向の人達との交流もインターネット上でできるようになりました。SNSで見つけた行ってみたい場所に、足を運び実際のものを目の前にした時の感動は別格ではないでしょうか?
盆栽も「#盆栽」「#bonsai」で検索すると丹精込めて作られた見事な盆栽を沢山見つけることができます。

盆栽も実際のものを見たくて国内外から「さいたま市大宮盆栽美術館」に来園しています。
わざわざ外国から実物を見に来る外国人の方たちは、盆栽に興味のない日本人よりもはるかに盆栽について勉強しており、ガイドの説明を熱心に聞きながら盆栽を食い入るように眺めているのが印象的です。

「さいたま市大宮盆栽美術館」では、事前予約をすればスタッフが多言語(日本語、英語、フランス語、中国語)でガイドをしてくれるサービスがあります。
また、一人でゆっくり観覧したい人には日本語、英語、中国語、韓国語の音声ガイドも用意されているので、各盆栽の詳しい解説を聞きながら美術館巡りをすることもできます。
盆栽が趣味の人から初めて盆栽を観賞する人までが楽しめる場所となっているのです。

愛好家の交流の場所にもなっていますので、剪定や鉢の植え替えなど盆栽について疑問があれば相談にのってくれる方がいるのも現地に足を運ぶ目的の一つではないでしょうか。

当美術館では、国内外に盆栽文化の普及を目的とし大宮盆栽美術館が主催する「さいたま国際盆栽アカデミー」が開校されています。盆栽の見方や考え方、歴史、道具、盆栽の管理方法、盆栽の作り方など、盆栽の基礎知識を「初級コース」では学ぶことができます。

さいたま市が盆栽の中心地となったのはなぜ?


さいたま市が盆栽の中心地となったのはなぜ? さいたま市が盆栽の中心地となったのはなぜ?
「さいたま市大宮盆栽美術館」ができたのは、2010年に盆栽の魅力を国内外に発信するための観光施設として開館しました。
もともとは、大正12年に発生した関東大震災で被災した東京小石川周辺の盆栽業者が旧大宮市に移住し盆栽村として形成されたのが始まりです。地域や盆栽愛好家の間では盆栽の街として知られていましたが、盆栽業の継承者減少や、盆栽人口の減少を懸念し、より多くの人達に盆栽の魅力を知ってもらいたいという思いで公立の美術館が設立されました。

盆栽は手塩に掛けて育て受け継いでいくことにより、人よりも長い年月を生きていくものです。盆栽文化を絶やさないようにするためには、盆栽の歴史を含めて後世に残していくことが今の時代を生きている我々の使命でもあります。
現在、美術館に展示されている盆栽も、樹齢何白年というものがいくつもあります。いまでも、素晴らしい造形を見せてくれているのには、盆栽職人の方々の技術が代々受け継がれてきたからであり、一つ一つの盆栽の題材までも脈々と伝えられてきたからに他なりません。

♠参照:さいたま市大宮盆栽美術館

日本に盆栽が根付くまでの歴史


日本に盆栽が根付くまでの歴史 日本に盆栽が根付くまでの歴史
盆栽の起源は1300年前の古代中国にあります。李賢(りけん)という王子の墓地内部の壁画に鉢植えの植物が描かれていました。
鉢に松などの植物を植える文化が日本に伝わり、日本でもっとも古い盆栽は、700年前の鎌倉時代以降に作られた絵巻物で見ることができます。その頃は、まだ「盆栽」という言葉が生まれる前でした。
それから、室町将軍家や僧侶の間で「盆山」と呼ばれる石を中心に山水景を表現する造形物が大流行し、室町時代から江戸時代にかけて屛風絵の題材としても「盆山」が沢山描かれていました。

江戸時代に入ると大名庭園に多くの盆栽が描かれている絵巻があります。江戸時代初期の盆栽は上流階級の者だけが楽しむものでしたが、後期に入ると庶民の手に届く趣味となり、狭い長屋の庭で盆栽を楽しむ様子も描かれています。

明治に入ると「盆栽」の言葉と共に盆栽文化が広がっていき、盆栽愛好家が数多く現れました。明治11年のパリ万博では、日本庭園の添景として盆栽が飾られ世界にも日本の盆栽が知られることとなりました。
大正時代には、「盆栽は芸術」として認められ世界に広めようとする考えが芽生え始めます。
このころの思いが、インターネットを通じて世界中に発信できる時代になった現在、あらためて大宮盆栽村を拠点とした「さいたま市大宮盆栽美術館」を中心に広がりを見せています。

まとめ


外国人にも大人気『さいたま市大宮盆栽美術館』 まとめ 外国人にも大人気『さいたま市大宮盆栽美術館』 まとめ
盆栽は小さな鉢の中に景観を表現する伝統的な芸術です。さいたま市大宮盆栽美術館で、世界でも貴重な盆栽を観賞してみるのも良いですし、美術館の周りには大宮盆栽村もありますので、気に入る盆栽が見つかると思います。

また、盆栽は自分の思い描いた風景を作り上げていくことが醍醐味です。思った通りに枝が伸び、根が張り、苔が根元を覆う鉢になるのを心待ちに育てていくと愛着がわいてきます。

庭の手入れが大変でガーデニングもやる暇がない、アパート暮らしで庭がないといった人でも、盆栽は持って来いの観賞植物だといえます。
四季ごとに植え替えをする必要もなく、初心者向けの育てやすい松やモミジもあるので、ミニ盆栽からでも初めてみてはいかがでしょうか?

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